•  試作その6

  • 試作6 約2週間の後、手元に来た試作品は今度は期待通りの形状をしていました(笑)。
     前述のように基本的には同じ図面なのですが1点のみ、手前側アンダー部の押し込みを確実なものとするため、ぎりぎりまで幅を増やす変更を加えました。

     密着力については意図したとおりの結果が得られており、やっとここまで来たかという感じです。
     しかし全体のシルエットについてはこの試作品をもって評価するのは微妙と言わざるを得ない状況でした。

    試作6 それはまだ造形に改良の余地があるということではなく、試作の状態に問題があったからです。
     立体的な加工が必要なため表面全部に渡って斜めに削られており、材料の地が出ている部分が全くありません。全て切削されています。
     また、裏面も同様です。さすがにここまで立体的な切削は難しいのか、エグリ取られたような加工面になってしまっている部分もあります。
     これですと、カバー外周部が切削痕のため強度が一定しておらず、確認のためストライカーに被せてもきちんとしたラインが出ないのです(右下画像)。

    試作6 つまり試作のレベルとして要求される形状がかなり高度になっていることが伺え、ここまで来たらもう金型を実際に作る段階と言えます。

     もっともゴム屋さんの話では、金型から打ち出した製品は限りなく図面に近いものとなるようです。
     従って既に現時点で切削の試作では曲げ戻しの具合に関してはうまく形状を再現できないと考える方が正しく、単に立体の雰囲気程度にとらえて、仕上がりは図面から想像する方が現実的なようです。

     これ以上は試作にこだわっても得られるものは少なそうです…というより自分としては既にやり尽くした感があります。
     慎重を期すなら1個取りの型を作ってみる方法もあります、とゴム屋さんから提言がありましたが、それとて数十万はしてしまうので、それなりに確認を重ねて自信も得てきた現在では、あまり意味のないことと思いました。

     そこでついに、この図面で金型製作にGOサインを出しました。
     金型を使った試打ちが上がってくるのは約2週間後とのことです。

     期待と不安が入り交じった、長くもあり、短くもある2週間の始まりです。


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