• 試作4  試作その4

  •  まずは密着対策です。冷静に考えてみれば、こんなもの(笑)は底面の形を工夫して両端がより下がった形状とすれば良いのです。

     曲面、台形、V字型の3案の形状をゴム屋さんに連絡し、どれが一番コストが安く済むか確認したところ、どれも似たようなものということ、それなら一番自然なR(曲面)を選択しました。

     寸法は両端が中央に対して1mm下がる形状としました。
    試作4 あまり曲げを強くした場合、反力で中央が持ち上がる可能性があると考えました。
     それに、この寸法差であれば、内側の加工は全て直線のままで済みます(いくらか内部的に浮く部分があることになります)。

    試作4 ただし装着時には両端から均等に1mm分の持ち上がりが発生するので、外形上はそれに見合った分だけ斜めに作っておく必要があり、表側の加工は少し複雑な形状にならざるを得ません(試作代アップ(^_^;)。

     デザイン的には、ずんぐりむっくりな印象を少しでも緩和すべく、更にいくぶん縦長にし、隅のRも、角部の全周C面取りも更に大きくしてみました(並んだ画像のそれぞれ右側が今回の試作)。
     奥側のアンダーは前回の試作で満足のいく結果だったので変更はせず、手前側のアンダーはまた少し違った形状を試してみました。

     結果論かもしれませんが、単純な面で構成された前回の表側と違って、いくらか立体的な表情が出てきており、いい感じと思います(右画像)。
    試作4 何か足りないもののヒントが得られた気がしました。機能美を追求した部品ならともかく、あまりにシンプルすぎる造形は装飾目的の場合にはデメリットになる可能性がありそうです。

     しかし同時に、完成して手元にやってきた試作品を見た時に愕然としました。やはり素人ゆえ、ゴムの特性というものが良く理解できていませんでした。
     平面に置いてみたところ1mm程度の曲がりはゴムの柔らかさに吸収されてしまって中央部がほとんど浮かない、つまり意図した曲がりが得られなかったのです。

    試作4 念のため、実際に車両に装着して確認してみましたが、やはり密着に関しては前回とほとんど変わらない印象となってしまいました。
     造形的には進歩があったものの、狙った機能は完全に失敗です。

     これはもう、根性を入れて立体的な形状を作り込むしかありません。

     …しかし意気込んで送った次回試作図面に対して、ゴム屋さんからは思いもよらぬ返事がきたのです。


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