NR750 詳細画像ページ

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全体外観

左側真横から

左側真横から。

左斜め前方から
左斜め前方から。
左斜め後方から
左斜め後方から。
前後
前後。

改造説明・部品編

フロントキャリパー
フロント6ポッドキャリパー化+マスター変更

 ノーマルの4ポッドはやや効きが甘く、6ポッドキャリパーをワンオフで加工してボルトオン装着しました。
 ステーなどを介していないため、自然な仕上がりです。

 キャリパーは本来、NRロゴ入りの専用品なのですが、自分としては制動力を取った形です。
 マスター本体はピストン径を合わせるため黒になってしまいましたが、十分満足の行く制動力になりました(突っ込み勝負上等/笑)。
 交換した純正キャリパーは付属します。

 なお微妙に取り出し位置が異なるので、純正キャリパーに戻す場合はホースの長さが合わない可能性があります。
ステンメッシュホースジョイント
ステンメッシュブレーキホースジョイント

 左は上から覗き込んだ状態、右はフェンダーの隙間から見上げた画像です。

 ノーマルのフロントブレーキ配管は金属パイプを使って分岐するという珍しい方法なので、ステンメッシュホース化するときに工夫が必要です。

 安易に元出し2本とするようなことをせず、純正と同じ形状にこだわり、接続パーツを設計してアルミ削り出しでワンオフ作成しました。
 中継の金属パイプはノーマルを使っています。

 アルマイトで赤色としましたが、時間の経過で色が抜けています。
純正フロントキャリパー
左上画像:
 NRロゴの入った純正フロントキャリパー、やや腐食が来ています(付属します)。

右上画像:
 ノーマルブレーキライン(付属します)。
 純正キャリパー用のシールキットも購入していましたが時間が経っているので使えるか分かりません(付属します)。

左下画像:
 ホーネット600か900(忘れました)のマスターは5/8インチ径でかつ、ミラー取り付け穴が無いタイプだったのでそれを6ポッド用に流用した残りのパーツを保管用に仮組みしたもので、マスター自体はNR純正の未使用品です(付属します)。
 NR専用のマスターキャップ(新品)は残り在庫がもうないということで確保したもの(付属します。これもある意味、貴重です)。

右下画像:
 本来はブレーキマスター全体がシルバーなので、磨くなりしたかったのですが、そこまで手が回りませんでした。
 マスターキャップはNR専用品で、ネジもプラスでなく六角穴付きに交換しています(ネジはクラッチマスター側も同様に交換)。
ハンドル位置をアップ
ハンドル位置をアップ

 前傾がきつかったので、できるだけ上げようと思い、ハンドルのクランプ上面をフライスで削りましたが、1センチほど上げるのが限界でした。
 言われなければ気づかない程度の差です。

 ハンドルクランプの下に見えているリングがストッパーで、本来であればクランプの内側5ミリほどの位置で止まるようになっています。つまりその分はハンドルバーが上がっていることになります。
シートの張り替えと形状変更
シートの張り替えと形状変更

 ノーマルは前下がりの座面になっていてブレーキングでどうにも前方にズレやすかったので、シートの張り替えと形状の変更をしています。
 
やまちゃんのバイクシート工房(大阪府堺市)に依頼し、納得の行くまで何度も修正してもらいました。

 生地自体がグリップがあるのと、ゲル封入タイプとして長時間乗車時の耐性を向上したほか、横から見たときに不自然なラインが出ないようにデザインにも注意を払っています。

 想定外だったのは、シート前端を盛り上げたため標準のキーではシートが開けにくくなってしまい、仕方なく専用のロングキーを用意した(今回付属します)ということがあります。

改造説明・電装編

ヘッドライト系をHID化

 NRは4灯とは言え、昔ながらのバルブ式のライトです。今ならLED化がベスト(突入電流その他を考慮するならなおさら)かもしれませんが、手を入れた当時は白く明るくするにはHID化しかありませんでした。

 メイン2灯は4300K(スライド式HI/LO))、プロジェクターは6000Kと意図的に色温度に違いを付けてあります。
 H4R用のHID変換ソケットをワンオフで加工して装着しました。

 本来のNRにはヘッドライトスイッチはなく、キーオンで通電されて点灯しますが、HIDの点灯時の突入電流が4灯となると大きいので、シート下に専用スイッチを設けて、特に冷間の始動時はライトを点けずにエンジンを掛けるようにしていました(いずれ自動で連動するようにする予定でしたがそのまま今に至ります)。

 点灯後は最初青白いですが、やがてメインは白、プロジェクターはやや青みを帯びた白に落ち着きます。

※ 動画は装着当時の古いもので、音声はありません
ヘッドライトスイッチ
ヘッドライトスイッチ

 上の黄色丸がシート下に備えたヘッドライトのスイッチです。
 いずれ自動で連動するようにする予定でしたがそのままになってしまったのは前述のとおりです。

 シートはキーで外すことができるので、取り外しはさほど苦ではありません。
 自分はエンジン始動(特に冷間時)前後の儀式だと思ってシートを外し、このスイッチを操作していました。

 暖気後のエンジンが掛かりやすい状態では、そのまま普通にキーオンしてエンジンを掛けていました。


ソーラー補充電用コネクタ

 画面中央の引き出してあるコネクタは、あまり乗らない時期にソーラーパネルによる補充電をおこなうためのコネクタ(バッテリー直結)ですが、ソーラーパネルは今回の出品に含まれていないので注意してください。


燃調マップ切り替えスイッチ


 下の黄色丸はPGM-FIユニットから引き出された、燃調マップを切り替えるためのディップスイッチで、詳しくはフルパワー化の項目で述べます。
 現在の設定は、もっともパワーの出るマップになっています。
メーター
デジタル速度計のバックライトを大改修

 上が改修後、下がノーマルの画像です。

 純正の光源は単なる電球で、フィルターも暖色系なので電球だけ変えてもほぼ変わらず黄色っぽく、他の照明も明るさが控えめなので、夜間走行時など、やや前時代的な印象だったものを、LEDを敷き詰めて速度は白、オドとトリップは緑色の透過光としました。

 合わせて、アナログメーターの照明も高輝度LEDに変更してかなり照度を上げてアップデートし、現在の目で見ても全く古さを感じさせません。


調光ノブ(ILLUMI)の効果の意味を変更して単なる明るさ調整から定義を変更

 デジタルメーター左にあるノブは、純正では単なるデジタル速度計のバックライトの明るさを変更するのみですが、いちいちトンネルに入るたびに走りながら操作するわけにもいかず、これは不満点でした(最も明るくするとトンネル内では眩しく、暗くすると屋外で見えにくい)。

 そこで、照度センサーをシートカウル内に設置し、周囲の明るさに応じてバックライト用LEDを自動調光するようにしました。

 ノブを回す意味は「周囲に連動して一番暗くなる明るさ」を設定します。つまりノブの位置に関わらず周囲が明るいときは全力で光り(このため屋外での視認性もバッチリです)、トンネル内などで暗くなると、ノブで設定した暗さまで時定数を持って変化します。

 これが非常にうまく行き、走りながら「早くトンネルにならないかな」などといつも思っていました。
照度センサー
シートカウルに設置された照度センサー

 黄色矢印の先に透明なセンサーがあるのが分かります。

 当初は、メーター内に設置していましたが、照度の変化をうまく拾えず、上が空ならこれ以上の場所はないだろう、と移設された経緯があります。
LEDバックライト回路図
LEDバックライト回路図

 これがこのNRのためだけに専用設計された多機能LEDバックライト回路図です(本邦初公開)。
 図面は印刷したものが付属します。

 右下の画像が実際の基板を実装した様子です。
 電球が後ろから照らすだけの構造になっているのがケースの形から想像できますが、改修後は単に基板への配線を中に通しているだけです。

 今となっては古いですが、レーダー探知機のベストワンパルスバイクをフロントカウル内に設置しており、その出力を基板に入力して利用しています。
 回路図の2枚目でちゃんとレーダー出力を取り込んでいるのがわかります。
レーダー探知機反応の様子

 こちらがレーダー探知機出力を拾った場合の表示の様子です。

 レーダーに反応があると、デジタル速度計のバックライトとウィンカー(ハザード)インジケータを交互にフラッシュさせ、知らせる思想で設計されています。

 ベストワンパルスバイクは、電源投入時にチェックのために反応出力を出しますが、それを受けてどうなるかを録画したものです。
 セルを回すと一旦電圧が落ちるのでリセットされ、電源が再投入される形になります。

※ 動画は装着当時の古いもので、音声はありません

キズ・難あり箇所

燃料ポンプ
燃料ポンプ

 今回手放すことを決めた元凶です。

 まだ分解時点では止まったり動いたり、という状態だったのですがそれから時間が経過していますので多分動かないと思います(出品にあたっては未確認)。

 取り外したときよりは綺麗にできましたが、錆のような成分がポンプの中にまで入り込むのはどうしようもない感じです。
 ひとつめのだめになったポンプは割ってみましたが、そういった状態でした。

 左下の画像のようにタンク内部は簡単な洗浄で綺麗になるので、なぜこのような状態になってしまうのか本当に謎で、残念です。

 ちなみに、26年5月現在、タンクの値段は120万円(在庫はないので、幽霊価格ですが)、初版のパーツリストでは約43万円になっているので、考えられない値上がりぶりです。

 画像にはありませんが、燃圧を調べるために入手した、BEETリペア用の燃料ポンプを付属します。
 世代的にNRの頃より燃圧が上がっていそうなので、そのままでは使えないと思っていますが、未調査なのでなんとも言えません。
カウル・タンクキャップ
左上画像:
 チタンコートスクリーンは内側の処理が柔らかいので、メーターを拭いたときに触ってしまい、スレがあります。
 想像以上に剥げやすいので、汚れていても絶対に内側には触らないようにおすすめします。

右上画像:
 前カウルとボディを繋ぐカバー部のゴムに劣化によるひび割れがあります。

左下画像:
 フューエルリッドのフチ部分がところどころ欠けています。
 フューエルリッドは、シートカウルを付け外しする際にはタンク側に残るのですが、隙間が少ないため、どうしても擦って角が欠ける部分ができてしまいます。
 保護をしてもあまり効果がなく、シートカウルを外したことのあるNRは、まず欠けがあると思います(強いテープを貼っただけで、剥がすときに欠けたことがあるほどです)。

右下画像:
 フューエルリッドキャップを持ち上げたところ。
 楕円ピストンを模した純正キーは横幅があるので、回すとどうしてもキャップの裏側をこすってしまいます。
 後に気付いて使うのは避けるようにしましたが、このように傷が付いてしまっています。
フレーム・アンダーカウル
左上画像:
 右前から見たサイドカウル下部の状態です。
 アンダーカウルは透明シートを貼っているのでそれなりに防げていますが、サイドカウルに飛び石による塗装ハゲがあります。
 タッチアップしている箇所があります。 

右上画像:
 左前から見たサイドカウル下部の状態です。

左下画像:
 ここがもっとも大きな補修跡になるかと思います。
 フレーム後ろ側の全面に磨き跡があります。
 作業中にショップが傷を入れてしまい、補修もしてくれたのですが、高光輝フレームは特殊な処理のようで鏡面にまですることは出来ず、磨いて保護用の透明フィルムを貼った状態になっています。

右下画像:
 右側メインフレームの中程に引っかき傷があります。
スイングアーム・サイドスタンド
左上画像:
 左ステップホルダーの後ろ側部分のスイングアームに傷があります。

右上画像:
 スイングアームの画像の位置に傷があります。

左下画像:
 サイドスタンドのカバーは走行時には車体と一体になる構造をしていますが、下側のカバーの後方部分に削れがあります。
 サーキットの体験走行時に僅かにサイドスタンドが出た状態だったためバンクのときに擦ってしまったものです。

右下画像:
 そのサイドスタンドカバーの削れですが、丸く巻き込んだ角面なので、サイドスタンドを上げた状態では特に目立ちません。
シートカウル

左上画像:
 左側の、シートカウルとリヤフェンダーカウルの前側の合わせ目の塗装がいくらか剥げています。
 保護はしていてもシートカウルの付け外しではどうしても塗装に力が掛かってしまう場所です。

右上画像:
 右側の、シートカウルとリヤフェンダーカウルの前側の合わせ目の塗装がいくらか剥げています。
 保護はしていてもシートカウルの付け外しではどうしても塗装に力が掛かってしまう場所です。

左下画像:
 シートカウルとリヤフェンダーカウルの左側後端の合わせ目の様子です。

右下画像:
 シートカウルとリヤフェンダーカウルの右側後端の合わせ目の様子です。

チェーン・リヤスプロケット
左画像:
 チェーンケースのプラスチックが白化している部分があります。

右画像:
 チェーン内周のゴムダンバーが劣化してヒビと欠けがあります。
 欠けた部品は拾っていますので、全てではないかもしれませんが付属します。
ステッカー跡
ステッカー跡
 糊の成分が色移りしているのか、そこだけ日焼けしなかったのか分かりませんが、ステッカー跡が残っています。
 それらをまとめました。


左上画像:
 よく見ないとわからない程度ですが、フロントカウル右前に貼っていたステッカーの跡があります。

右上画像:
 シートカウル後端部にもステッカーを貼っていたので跡があります。

右下画像:
 排気ダクトの前方にもステッカーを貼っていましたが、これは保護用の透明シートの上からなので、シートを剥がせば跡は残っていないかもしれないですがわかりません。

出品付属品

リヤスタンド
リヤスタンド

 やや錆や汚れがあります。

 NRレッドに塗られたリヤスタンドは宣伝用で、付属してくるものはこの黒いタイプだけです。

 右の画像で確認できますが、型式の「MR7」とはVFR750R(RC30)ですね、つまりリヤスタンドは共通品となっています。

 フロントスタンドは今回の出品には付属しません。
専用タンクバッグ・キー
NR専用スペシャルタンクバッグ

 普段使いしていたもの、予備のため購入していたもの、2セット付属します。

 NRのタンクは磁石が付かないので、前カウルに続くステーとタンク後端の下部にフック固定したタンクバックベースに取り付けるようになっています。
 予備の方はほぼ未使用で、それは色の抜け方を見ればわかると思います。

 世界限定100セットでNRの生産台数(約300)よりも少なく、しかもそのうちの2つなので、こちらの方が希少価値があるとも言えます。


付属するキー

 楕円ピストンを模した洋白銀製、最初から付属していた黒い柄の一般的なもの、シート加工の関係で深さが必要になったので専用の長いキー、の計3本が付属します。

 黒い柄のホンダマーク入りのキーは、2つあったかと思いましたが、ひとつしか見つかりませんでした。

 特に、この洋白銀製のキーは、記念に手元に残したいと思うオーナーは売却時に付けない可能性があるので貴重と言えます。
書籍

・NRヒストリー 書籍+VHSビデオ(ボックス装丁になっています。車両購入時にホンダからプレゼントされました)
・NR 構造 機能&整備 VHSビデオ(ケースにやや色褪せあり)
・NRの挑戦 書籍
・山海堂モーターブックスシリーズ HONDA NR
・カタログ(スリーブ入り)

マニュアル・リスト

・サービスマニュアル
・輸出仕様パーツリスト(英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語併記のため厚みがあります)
・国内仕様パーツリスト(数枚の修正パーツリストニュースが付いています)
・整備手帳
・整備手帳用袋

専用工具
専用車載工具

 搭載したまま走っていたので、袋にはスレ、工具にいくらか錆が出ています。

 左画像下の工具はチェーン引きのためのものですが、特に袋などは用意されていなかったのでタオルに包んで載せていました。
 未使用のホンダ軍手といっしょに付属します。

 工具類はプラグレンチを除いてはVFR750R(RC30)に付属のものと同じようですね。

 これらはシートカウルの中に収めたままにしてあります。

輸出仕様(フルパワー)化について

マフラー排気口
排気口径の拡大

 これはよく知られていますが、輸出仕様でもっとも目を引く違いです。
 国内仕様では排気口が本当に親指が入るかどうかの太さの穴しか開いておらず「ここまでしないとパワーが押さえられないのか」と逆に感動したものでした。

 まずはじめに、エンデュランスに直接出向いてフルパワー化の話を伺ったところ、はっきりと「ウチで作っている」とは認めなかったものの、「見た目だけ穴を大きくするのなら、本当の意味での輸出仕様と同じにはならないよね?」と聞いたところ、「大丈夫です、絶対に同じです」と言い切ったので、輸出用のマフラーの製造を実際に手掛けていたか、図面関係を見ることができたのかもしれない、という確信に近い感触を持ちました。

 国内仕様のサイレンサーを割って加工する方が、ひとりひとりお客様が付くので、インナーパイプの位置決めとか本物よりも気を使った、と言っていたので「こりゃ間違いないな、と」。
 もうひとつ、厳密にはエキパイの途中に設けられているパンチングメタルの穴径が、国内仕様と輸出仕様で異なっているが「ほとんど影響はない」とのことでした。

 国内仕様のサイレンサーの刻印は、画像のように「K1」です(輸出仕様は「E1」)。
 「K1」の刻印があるのに排気口径が大きなものは、エンデュランスの手で加工されたものだと思って間違いないと思います。
アイドリング排気音

 NRはもともと軽めの独特な排気音をしていますが、 輸出仕様の太さになると、それに一段と低音が強調された感じになります。
軽くブリッピングした様子

 あまり動画を残していなくて残念ですが、軽くブリッピングしたときの音の感じがわかります。
ファンネル差異
エアファンネルパーツの差異

 左が国内仕様、右が輸出仕様のパーツリストですが、輸出仕様にはエアクリーナーボックス内にファンネルパーツがあるのが分かります。

 そもそも国内仕様は吸入空気量が少なく絞られるので、ファンネルが必要になるほど流速変化による気流の乱れが無いと判断されたのではないかと思われます。

 逆にフルパワー化により流入量が増える状況下では、吸入口径が大きくなることで流速がかなり落ちるので、低速での気流の安定のためこのファンネルの影響は大きそうです。
ファンネル装着状態

エアクリーナーボックス内のファンネル装着状態

こちらが実際のファンネルの様子です。

ボックス自体は共通なので固定用のネジ穴は最初からあり、ファンネルだけあれば取り付けられます。

エンデュランスのフルパワー化メニューの中にはこのファンネルパーツは含まれていませんでした。

自分としても、フルパワー化後からファンネル装着までに間が空いたので、はじめは高回転域のパワーに感動して、低速域がやや安定性に欠けた感じがしたのも「相対的にパワーが向上したので気のせいかな」と思っていたのですが、ファンネル装着後の低回転域でのレスポンスはかなり異なるものでした。
「ああ、やっぱこれがNRの低速特性だよな」と思うくらい、回転がばらつかず、アクセル操作に素直な印象になったと感じました。

 ファンネル装着と同じ作業のタイミングで、いちどインジェクションユニットを抜き、吸気インシュレーターを本来の輸出仕様のものに付け替えています。
 吸入ポート数の関係で8箇所で接続されており、ユニット本体を抜くのが恐ろしく大変でした。

 ちなみに、当時RVF750(RC45)もフルパワー化は同じ手法で、インジェクションユニットを抜くのを手伝ったことがありますが、あちらは4気筒ゆえの4箇所接続だったので簡単に抜けたのと、吸気の絞り方は同じでしたが、なんと単に半円形状のアルミ板を挟んであるだけで、こじると簡単に外れてうらやましかったのを覚えています。
 NRは、ゴムとアルミが一体化していたので削るしかない状況でした。

 輸出仕様のインシュレーターは、インジェクターからの吹き出しに沿った形に逃げが設けられているといった違いはありましたが、見た感じでは正直、ファンネルの有無ほどの違いにはならないかなという印象で、自己満足の範疇ですね。

各種リミッター外し
180キロリミッターカット

 こちらは当時のホンダ車共通の手法で解除できます(ただしNRの場合はメーターがデジタルなのでリミッターカットしただけでは表示の数値が180以上にはなりません)。


フルパワー対応燃料増量加工

 吸排気を輸出仕様と同じにしても、国内仕様のままでは燃料が不足して、かえってエンジン不調の原因となります。
 電子制御なのだから、各種センサーの値から自動調整されるだろう、などといったことは全くなく、「決められた制御を電子的に正確におこなう」だけの仕組みになっているので、明らかに増量処置が必要です。
 その方法については資料で示します。


メーター180キロ以上表示

 スピードセンサーの代わりに発振器を繋げて調査しました。
 解除方法を見つけてその結果、299キロまで表示する(つまり300キロフルスケールメーターですね)ことが分かりました(うろ覚えですが、確か4KHzくらいの入力でその速度を表示したかと)。
 解除方法については資料で示します。

 パルスを入れると当然ながら速度表示と同時に積算機能が働くので「300キロだとこんなに距離計動くの早いのか…」などと言っていたら、ショップのメカに「おいおい、走行距離がどんどん増えてるぞ」と言われてあせった記憶があります。


 いずれの制限も現在は解除された状態なので、単なる確認資料ということになるかと思います。
仕向地
仕向地確認とPGM-FIユニットの分解

 輸出仕様のパーツリストを確認すると仕向地が7箇所なので、日本を含めると全部で8種類の仕様があるということになります。

 しかし全ての仕向地向けの燃調が異なるのかというと、現代のものづくりとしては考えにくいですし、もっと言えば、全てを一つのROMの中に持ってしまって、例えばプリント基板上のジャンパーの設定で仕向地を決めてしまっている可能性の方が高いと考えました。

 そこで新しいPGM-FIユニットを購入し、古い方を分解してみると、設定ジャンパらしきポイントを発見することができました。

 いずれは独自マップも試してみたかったので、ROMは抜いて中身を読み込み、差し替えが容易なようにソケット化しました。

 読み込んだデータを確認すると、サービスマニュアルに書かれているマップ数に対して明らかに多すぎるので、「全てのデータを含めておいて設定で切り替えている」という読みは合っていそうです。
ROM内容読み出しとマップ切り替え化
マップ切り替えの確認

 ただし確認してみると、その中で実際にエンジンが掛かる設定は3つだけでした。

 パーツリスト上は、輸出仕様だけで5種類のPGM-FIユニットがあるので、マップの内容が異なっているパターンもあるのかもしれませんが、入手できないのでは確認のしようがなく、手元で動くマップはとにかく3つと納得をするしかありません。

 これらの設定でそれぞれパワーチェックをおこなったところ、ひとつは明らかに高域のパワーが押さえられているカーブを描き、残りのふたつは、ほぼ誤差範囲でフルパワーと思われるカーブを描き出しました。

 低く出たものがどこの仕様かはわかりません(おそらくフランス、スイス辺りかとは想像しますが)が、最終的には最も高い数値を示したスイッチ設定としてあります。

 画像のPGM-FIユニットが、狙ったようにROMの足部分だけきれいに切り抜かれているのは、もうひとつあったもので位置を確認してから作業をしたからで、同時に、設定ジャンパと思われる位置からは線を引き出して、外部で切り替えができるようにディップスイッチ(DSW)を取り付けました。
 これが上の「改造説明・電装編」でシートの下にまで引き出された配線という訳です。

ギャラリー

輸出仕様化
保管状態

 基本的にはこの状態で保管しており、前輪もスタンドを使って浮かしていました。

 シートカバーは画像のものをずっと使用してきました(今回の出品には含まれません)。
 カバーが寿命になると、ベルトが劣化して切れたり、内側の生地が劣化して白い粉が出てくるようになるので分かりやすかったというのがあります。

 他も検討しましたが満足の行くものはなく、値段は少し高いですが、結局これを買い直しては使い続けることになりました(かなり厚手なので扱いはそれなりでしたが、きちんと守ってくれる感じが良かったです)。
タンクバッグ取り付けイメージ
スペシャルタンクバッグ装着イメージ1

 タンクバッグベースを取り付け前の、タンク上面のウェットカーボン柄が全面に見えるのは、確かにかなりの迫力ですが、圧倒されて気を遣ってしまいます。

 特に、タンクの手前側に、上着のジャケットのファスナーやボタンが触れて傷を付けるのではないかという不安は常にありました。

 そこで、自分は保護の目的も兼ねて、タンクバックを使わないときもベースは常に取り付けたままにしていました。
 見た目の迫力も軽減されて、その方が逆に乗りやすかったです。
タンクバッグ取り付けイメージ
スペシャルタンクバッグ装着状態を左真横から

 NRはリヤに荷物を積むことができないので、タンクバッグ+背中にデイパックなどを背負って出掛けることが多かったですね。

 雨の中も仕方なく走ることがあったので、普段遣いのタンクバッグの方は先の画像のような状態になってしまいました。
 上から被せる透明のビニールカバーもあるのですが、よほどひどい雨などでないとそのまま走っていたというのも原因かと思います。

 容量はそれほどないのですが、それでも出掛けるときはタンクバッグは必須の装備でした。
タンクバッグ取り付けイメージ
スペシャルタンクバッグ装着イメージ2

 一体型のシートカウルがグラマラスなシルエットを生み出しています。

 知人と一緒に走って後ろ姿の印象を聞くと、「お尻に円盤を付けてるみたい」という感想が最も多かったです。
可変吸入機構
可変吸気システム

 NRは可変吸気システムを採用しており、青矢印の口は常に開いていますが、黄色矢印の口は4000回転以上にならないと開きません。
 低回転域では狭い青矢印の口から吸うだけになり、吸気流速を高めてトルクアップに繋がるとのことです。

 これがかなり大胆な機構になっており、左下の画像を見ると分かりますが、パカっと開いたその先は直にエアクリーナーエレメントです。
 エレメント直下には、上の方の画像で示したエアファンネルが突き立っているので、この口が開くと、単にファンネルの口にエアクリーナーエレメントを添えているだけという、吸気抵抗はこれ以上減らせないよね、という状態です。

 逆に言えば、この口が開いている状態でのスロットルワイドオープンは、遮るものが何も無いので、相当に勇ましい吸気音がします(いいのかホンダ)。

 クラッチを繋いで走り出すと分かりますが、ある時点でタンクの辺りから「パカッ」と音がして、このフラップが動くのが分かりますが、面白いのは、ギヤが入ってクラッチを繋いでいないとどんなにエンジンを吹かしてもこのフラップは開きません。

 ニュートラルでの空吹かしだけでも相当なレスポンスで吹け上がるように見えますが、実はこれ、フラップが閉じた状態なので本来の吹け上がりではありません(エンジン保護のためのようです)。

 負荷の掛かっていない状態で本来の吹け上がりをしてしまうと、レブリミッターでも追従が難しい、というレベルなのでしょう。
左ハンドルスイッチ

左ハンドルスイッチ

 これはちょっと悲しいネタ?ですが、左画像の白文字が入っているスイッチボックスが納車時のものです。

 後年、プラスチックが荒れてきたので注文したところ、なんと本体の文字が全て赤色になったものが来ました。
 コストダウンで色数を減らしたというようにしか見えなかったのですが、仕方なく右画像のように取り付けています。

 この辺りからホンダの部品供給の姿勢に「?」を感じ始めたというのがありますが、車両購入時は「NRの部品は将来に渡って必ず供給します」なんて聞いた気がするのですが、やはり整理対象になって今ではNRの型番「MT7」を冠する部品はホンダにひとつも残っていないとは…あれは何だったのでしょう。

 時代と言うか「特別扱いもない単なる製品だったんだなあ」などと少し寂しい気がしてしまいます。

 オリジナルのスイッチボックスは廃棄済みで、こんなことなら取っておけばよかったかな、などと思っています。

組み上げ途中
組み上げ途中

 なかなか見られない姿かと思いますので、作業中の画像を載せておきます。

 左上はタンクを外したその下の画像です。
 リヤバンクを見ていることになりますが、リヤだけでも4本のプラグが入っているのが分かります。
 前バンクと合わせると、プラグ交換はなんと8本になります。

 右下の画像は、一体型のシートカウルなので被せるのが大変、の図です。

新世代燃料ポンプ化トライ経過(実現できていません)

入手

SARDインタンク式燃料ポンプ入手

 なんとポンプメーカーに掛け合って特注も考えたんですね…。

 結局は諦めて、最小能力のものをベースに電圧調整で吐出量を調整する方向でいくことにしました。

 懐かしい話ですが「絶対になんとかする!」という気合が入っていました(志半ばで今に至りますが)。

吐出特性取得
吐出量特性取得

 電圧による吐出特性を取得したときの記事です。

 能力定義がサービスマニュアルに書かれており、NRの場合は「2.55kgf/cm2時に150cc/秒」でしたが、この条件でのデータが示されていないので、実測しか無いわけです。

 BEAT(E-PP1)の燃料ポンプの能力については、サービスマニュアルを持っている方に確認してもらうと確実です。同じホンダのマニュアルになるので、多分書き方や能力の定義も同じではないかと思います。

 自分は当初からこちらを使う予定だったので、SARD製のポンプについてはデータを取得したのですが、BEATのリペア用については調べていません(入手したのもずっと後になってからです)。

 ネットでは単純に吐出能力としてLPH(1時間あたり何リットル動かせるか)で出てきますが、そのときに掛かっている圧力によってこの数値が異なる可能性があるので、自分としてはレギュレーター(この場合はニスモの可変タイプ)を使って規定圧力とした状態で、実際の吐出量を測定するのが良いだろうと考えて、このようなデータを取得しました。
制御回路図案

制御回路図案

 記事中にもありましたが、実際に動作中のNRのタンク内を除くと、常にかなりのガソリンがリターンしている(最大出力でそれなりに燃料を供給して燃圧を安定されることを考えると、それ以下の回転数では常に余剰ガゾリンがタンクに戻っている)ので、それは無駄が多いとも言えます。

 そこでどうせなら、アクセル開度でポンプに掛かる電圧を制御して、リターンするガソリン量を少なくしてやろう、なんてことも考えた回路設計になっています。

 実際に制御基板も起こしましたが、事情があってそこから先に進めなかったのが残念です。

 それさえなければ、燃料供給系もアップデートされたNRが走り始める予定だったのですが…。