01753/01757 PXF00367 松澤 勇治 <NRレポ>3.ユーザーからQ&Aその他
( 7) 94/01/09 00:28 01750へのコメント
3.ユーザーからQ&Aその他
○ ロムの中身は輸出/国内は同一では、というのは正解(やったね)。
○ 点火ユニットにも切り替えジャンパはあるハズ、と言っていた。国内用の点火ユ ニットと、輸出用と目されるユニットを両者付け替えてみたが出力が同じだった のだが、と言ったら、よくわからないと言っていた(電装の担当者は座談会には 来ていなかった)。
○ デジタルメータ180キロ表示制限解除の詳細を説明した。山中チーフエンジニア に「ウチの開発に来ないか(笑)」と言われた。ほめ言葉と受け取っておきます。
○ 輸出仕様130馬力というのは「余裕の」とかでもなんでもなく、メーカーサイド に言わせると、「許容幅の基準値。ウチではその幅に入らないものは出さない。 つまり、許容幅以上にパワーが出ているものも、それ以下のものも、出荷しない」 具体的には、数馬力程度の違い、と言っていた。
○ NRは出荷段階で、全数後輪出力を計測している(ならし以前に一度でも全開状 態になっているとは ・・・)。
○ 15000km も走っているので、130出ないのか?「いや、そんな事はない。10000km 走行からが一番おいしい時と言えるくらいだ」
○ 後輪出力100馬力ちょいというのはどう考える?「ちょっと低い。パワーカーブ を見る限りでは、12000rpm からもう少し伸びていい気がする(持参データカー ブは少しフラットポイントがある)。後輪で110前後出ていれば、エンジン130馬 力と言っていいだろう。ウチはカウンターシャフト直結で測る。後輪ではその85 から90%しか出ない。ボッシュのロス馬力と言うのは正確ではないし、機械によ っても差がある。」
○ イタリアのナルドサーキットで速度記録に挑戦したNRのマフラーはエンデュラ ンスが手掛けたものである。エンジン自体は驚く事に、ほとんどノーマル状態ら しい。それで158馬力(ライダースクラブ誌では155馬力と紹介されていた)と言 っていた。
○ 市販型NRエンジンは160から170馬力のパワーに対応出来るらしい。ただし、ど こまで出せるかは、やってないそうだ。
○ 製造数は輸出が110台前後、国内が200台前後。実際に登録された国内NRは7〜 80台。これからも売っていくつもりと言っていた。それにしても、7〜80台中の 5台が出席するとは、なんと高い出席率(←全然意味不明)。
○ どこぞの雑誌で言っていた、「NRを3台買った人」は、ほんとに購入したんだ そうな。うっわー。
○ '89のモーターショー以来、発売開始まで2年以上の間があったのはなぜか。一 説にどうやってもパワーが落ちないので、などというウワサになったが。「あれ は少しオーバーな表現だと感じていた。パワーを落とすのは簡単だが、ただ落と しただけではダメだ、ということ。いかにして、77馬力でも楽しめる、値段に見 あった味付け、オーバルピストンならではの特性とできるか、の試行錯誤を繰り 返した。ただ単にパワーを出す方が簡単と言える。ここにはとても苦労した。正 直に言えば、それに費やした時間という事だ。」
○ 開発者として、130馬力出るエンジンを77馬力で市販しなくてはならない事をど う考えるのか。「残念ではあるが、前述のように77馬力に付加価値を持たせると いう意味でそこには新たな技術的チャレンジがある。単純に、残念とかでは片付 けられない。我々にとっても決して楽な開発目標ではない。」←どんなバイクで もすぐ疑問が湧くけど、なるほどね〜。NRは数値至上主義の産物ではないので、 あまり130馬力にこだわらなくてもいいと言っていた。77馬力でもしっかりNR しているのだそうだ。それは130馬力にしたらよりよく判る、という程度(!) の違いだ、と。
○ 発売開始後、配車がなかなか進まなかったのはなぜか。「カウリングが出来なか った。カーボンのクリア塗装部に気泡が出てしまう、このために遅れた。エンジ ンには全く問題なかった。」
○ スーパーバイクに、ドカティに対抗してオーバルピストンVツイン 1000cc で打 って出るというようなことは考えなかったのか。「おもしろい考えだ。だが、F 1にしても何にしても、圧倒的アドバンテージを持つ技術に対してはすぐにレギ ュレーションが変更される。その可能性がある。」
○ 180キロでリミッターにぶち当てながらそれでもアクセルを開け続けたら、燃 費がリッター9キロぐらいだったことがある。「その領域では、1時間40リッ ター以上ガソリンを消費する。タンク容量が17だから、2〜30分ほどでカラ になる計算だ。」こ、これではハナからZZ-Rクラス(グランツーリスモ)では相 手にならん ・・・。こっちがガス欠で勝手に戦線離脱じゃ ・・・。
○ 10年間色あせしないと言われる、例のNRレッドは ・・・。「塗料は 1kg 200万 円する。もちろん薄めるので1台当たりそこまで使わないが。試料を沖縄の炎天 下にもう数年間も置いて時々見に行っている。」
○ 全般に言えるが、どのような姿勢でバイク開発に臨んでいるのか。やっぱり、メ ーカー側はあくまで与える側であり、ユーザーは与えられる側という認識に立っ ているのか。「安全性などの面に関しては、絶対の責任を持たなければいけない が、決して自分等が『与える側』という認識ではない。確かに仕事ではあるのだ が、開発してる自分等が楽しくなくて、どうしてユーザーが楽しめるか、と考え る。自分等が乗って、いいと思えるものを開発するというのが基本だ。こういう のはどうだ、という提案を内に込める事はあるが ・・・」
以上4/8