正直に言えば、自分は独自にＮＲに施したヘッドライト系の減光システムが気に入っている（笑）。
本来ＮＲのライト系の動作とは、キーをひねると単にメイン（ＬＯ側３５Ｗ×２）＆プロジェクター（３５Ｗ×２）の合計１４０Ｗが点灯し、セルを回した瞬間だけ負荷を切るため、ライト系が瞬断するなど、あまりオシャレとは思えない仕様（笑）であった。
ちなみに常時点灯が普通になり始めた頃のモデルであり、ライトスイッチはもともと無い。
それを、車速パルスを拾って停止状態を確認、まずメイン系、続いてタイミングをややズラしプロジェクター系を減光…停止した時だけでなく、エンジン始動時にもキレイに減光状態から入り、走行を開始するとパルスを拾って通常点灯状態に移行するという、非常に凝ったアクションを購入後数年の間に実現していたが、そのために相当フクザツな回路が作成されており、カウルを外して見える制御配線の状態は、お世辞にも耐侯性や経時変化などに対する信頼性は高くないのではと思われた。
能力的には、停止時の発電量が少ない状態での負荷を減光状態として避けられるため、バッテリーから直接配線するシステムを利用しているとは言え、走行時の点灯状態ではメイン（ＬＯ側７５Ｗ×２）、プロジェクター（５５Ｗ×２）の合計２６０Ｗ、ＨＩ側（８５Ｗ×２）点灯時には同じく２７０Ｗという、考えられない大容量を実現していた。
これもライトの明るさは消費電力と相関関係があった時代ならではの話で、一緒に走る連中にも”光のカタマリがやってくる”と言わしめるほど、当時としては驚異的な明るさを実現していた。
しかし６回目の車検を迎えた２００４年８月、ついに（？）車検場にてライトのＨＩ側が片側点灯しないという状況が発覚（なにがじゃ(^_^;、確認不足だろ）した。
何とか車検自体は通したものの、いよいよ心配していたライトシステム系の信頼性の問題が表面化したかに思われた。
気がつけば、世の中はＨＩＤ全盛時代（？）。
低消費電力（だいたい３５Ｗが主力のようだ）で、従来比５倍程度の明るさを実現するという。
２輪で純正採用されたという話はまだ聞いてはいないが、４輪ではだいぶ普及価格帯のモデルにまで装備されるようになって来ている。
すわ、これを気にシステムを刷新、ＮＲもＨＩＤシステムの導入を検討してみるというものだろうか…？？
ところでＨＩＤシステムには「減光」という概念自体が存在しない。高電圧を発生して電極間に放電する仕組みのために逆に車体側には電圧の安定が求められるほどだ。点灯、消灯の繰り返しも同じ理由であまり推奨されない（ＨＩＤは点灯直後がもっともシステム的に不安定な状態だ）。
それにしても、前述のように、ワシは減光システムが気に入っている。
フクザツな回路部分もそのほとんどが減光関係の制御を実現するためのものであり、ＨＩＤに変更という事になれば、本当にざっくりそれらが取り外されることになってしまう。
これらをシステム信頼性の向上と捉えるか、あるいは面白みを無くしてしまうと捉えるのか。もしプロジェクターを含んだ４灯をＨＩＤ化すれば、明るさは更に数倍になるのは間違いないが、本当にそこまでが必要なのか、いや、こういった事に「必要」云々は関係ないのだろうが、あるいはそれらも含めて単純に最新システムへの興味と捉えてしまうのか…。
まだまだ腹は決めかねているが、いったいどういう展開になるのだろうか。
ＮＲにとって悩ましい２００５年の幕開けとなったのである。
「ＮＲ再生への道２００４」のエピローグでも触れたが、なんとか車検は通したもののまだまだ解決しなければならない問題が残されていたのは前述の通り。
更にあれから約１年が経過しており（そのまま特に困ってないってコトは即ち、またまた乗ってないワケね＜爆）、次の車検まではまだ１年以上あるが、さすがに致命的な点が多いのと、今回新たに手を加えたいポイントがいくつか出てきたので、珍しく早めに（？）手を打っておこうと考えた。
まずは、ヘッドライトＨＩ側が点灯しない問題。
プロローグを書いている時点では何かシステム的な問題かと思われたが、情けないかな、単に両側とも球切れだった。何年くらいこのバルブを使用したかは記憶にない（笑）。途中で社外品に換えたはずだが、いつ頃だったか覚えていない。
それにしても、ＬＯ側に比べれば圧倒的に使用時間が短いはずのＨＩ側の方がナゼ切れる？左右とも同じ状態で切れたように見えるので固有の問題ではないだろう。ハロゲンはフィラメントの成分が気化して循環するような事をどこかで読んだ記憶があるが、何かそれに関係あるんだろうか…まあ、ＮＲはヘッドライトのバルブが簡単には取り出しにくい位置にあるので、ほとんど確認していなかったのは反省点だ。
次に、キャリパーピストンに腐食が出ている件。
さすがに試験を繰り返すメーカと違って思い付きで作ったようなものでは耐久性に問題があったか、という感じ（爆）。
アルミピストンを自作した、というのはカスタムとしてポイントが高いが、とりあえずは純正の鉄ピストンに戻す方向で（バネ下重量増は悲しいが）。とはいえ、元のピストンは全て処分してしまっているので、新たに購入する必要がある。
バイク屋に行ってピストンとシールキットの部品だけで金額を積み上げたら、まるまる購入するのとさほど違わない金額になってしまったので、それなら、と左右キャリパーを丸ごと注文した（おい）。
キャリパーのフォークマウント側はスペシャルな加工が施されているので交換は利かないが、裏側半分はそのまま入れ替えてしまえ(^_^;。そうすればピストンを入れ替える手間は半分さ〜（そして、半分は新品で半分は中古で、ピストンの無い怪しいキャリパーのガワだけが後でオークションとかに出たりするワケだな(^_^;）。
外してみたピストンの腐食具合は結構なものである（おい）。
ところで今回新たに手を加えたい部分として、少しでもハンドルマウント位置を高くできないかと、クランプの基部を可能な限り削り込むように考えた。
ＵＰ１に乗り慣れるとＮＲのこのポジションはさすがにきつい。もちろんトシという要素が大きいのは言うまでもない。
いっそ大幅なアップハン化も過去何度かは考えたが、Ｒ１ならいざ知らず、ＮＲに対しては恐れ多すぎるのはどこかでも書いた覚えが(^_^;。だけど、少しだけでもハンドル位置が上がったらという欲求が頭のどこかにくすぶり続けた結論がこれだ（爆）。
加工が済めば、１ｃｍ弱ハンドル位置が上がるはずである（体感的には、まず分からない範囲だろうね〜これは）。
画像３枚目はハンドル取り外し後の状態。見えるリングは落下防止または位置決めのストッパか。ハンドルを外すためには一度フォークを抜く必要がある。
ちなみに約１年放っておいた中国製のバッテリーはとっととお逝きになったので、このタイミングでまた新たに購入。製品としてはどうかと思うが、3〜4000円という値段を考慮すれば、まあ目くじら立てるほどの事でもないか、と。
もともとウチのＮＲは電装負荷がかなり高い状態なので、まあどれ持ってきてもバッテリーの寿命は短めと思う。この点からは消費電力の低いＨＩＤ化は、保守に突入したＮＲにとってはリスクを減らす一つの手とも言えそうだが…うーん。
念のため、プロジェクター側がＨＩＤ化可能かどうか、バルブの装着状態を確認。
バルブを下から差し込む構造になっており蓋が付いているので、穴を開けるか何かしないとそのままではＨＩＤ化は難しそうだ。一般にＨＩＤのバルブは通常のものと比べて前後に長くなるため、干渉に気を遣う必要がある。
大きなところでは以上だが、油温計の動作が怪しい件に関してはもう少し状況を確認してみないと何とも言えないといった感じか。
ＮＲのデジタルメータはＬＣＤ面に光を透過して表示させているが、実は発光源はメーター下部に仕込まれた８Ｗの電球だ。
この表示の明るさはメータ横の調光ノブによって変えられるが、如何せん、最も明るい状態にしても現在の感覚ではやや暗いと思える。走行中に常に目に入るこの表示が、少し暗く感じては気分も滅入ってしまう（？）
この話を光電社の林社長（出た！(^_^;）にしたところ、現在では超高輝度のＬＥＤがあるので、それを使って明るくできるという。消費電力も下がって一石二鳥ではないか、と。
なんと手を加える部分として、メーターバックライトのＬＥＤ化が急浮上したのである。
超高輝度のＬＥＤは果たしてどんな光量を持つのか、その具合を知るため何種類かをサンプル購入してみた。実際に光らせてみると明るいことは明るいが、かなり指向性が強い。拡散用のキャップとかもあるが、そうすると光量が落ちて実用的でない事も分かった。
ＬＣＤの裏側にびっしり並べて実装するのが現実的という結論に落ち着いた。指向性の強い光を拡散させるマスク（元々の電球の場合にも存在するが）がポイントになりそうだ。指向性の強さが緩和できない場合、明暗の色むら等となって現れる可能性がある。
ところで表示される速度、トリップ、オドは本来、黄色に近い色合い（拡散マスクの影響大）だが、ＬＥＤを並べるメリットを生かして、トリップとオドを速度とは違う色にしてみようかという話になっている（現状では緑色を予定）。
なお画像は試作基板のものだが、本番用はレーダーのインジケータ出力でＬＥＤを点滅させるギミックが追加される予定。従来、レーダー出力を左右ウィンカーのインジケータとメータのバックライトに繋ぎ込んでいた（何度か既出）ので、きちんとその機能を継承するためだ。
ただし電球の場合は繋ぎ込みで更に明るく光らせることが可能だったが、ＬＥＤは力一杯光っている状態から更にはムリ。そこで入力により消灯するように設計する。つまり、メーター盤面とウィンカーインジケータは逆のタイミングで光ることになる（笑）が、まあいいでしょう。
更にここで林社長のこだわりがバクハツし（(^_^;）、どうせなら周囲の明るさに応じてバックライトの光の強さが変わる「自動調光システム」にしてしまおうという話になった（！）。現在の調光ノブも生かし、基本的な明度を決めるのに使用する、と。
さて、どうなる〜（笑）。
「２００５」と銘打ちながら実は０６年度分まで突入してしまう訳だが、シゴトが忙しくなっていろいろが遅々として進まない（爆）。
それでも、このタイミングでハンドルクランプ基部の荒削りが終わって手元に来た。
だいたい思った通りの削り込みとなっている。後はこの状態からリューター等で形を仕上げていくだけだ。
それにしても、車検までなんと２ヶ月しかない（！）。余裕を持ってイジり始めたつもりの復活計画が、いつのまにかこれだよ…。
メーターも林社長がある程度のところまで仕上げてくれているが結局、動作確認やら細部の詰めは実走で行なうしかないので、こちらも作業中断状態だ。
その他にも、実際のところキャリパーピストンの交換が途中のままだ。理由は、片側３ポッドの一番小さなピストンが全く抜けないため（エアを吹いても大きいピストンから出てしまうのだ）。
例のキャリパーピストン抜き工具も、この一番小さなピストンの径には対応していない。もともと鉄ピストン用の工具なので、肉厚に作られたアルミピストンは想定外。つまり、穴が小さすぎて入らないのだ。こちらも仕方がないのでＭｒ．Ｙに治具部品を作成依頼中で止まっている…。
エピローグ…そして「ＮＲ復活への道２００５」は完結するのだった
…あらゆる事が思ったように回らず、問答無用でＮＲ車検切れ！！キター！！
ナニが凄いのかって、全く復活の見込みが無いまま車検が切れた事である。
これで一気にキモチも萎えた。少なくとも「車検を継続するんだ！」というのは復活に向けての大きなモチベーションであるはずだが、それもあっさり消えた…ああ、神様。
もちろん、バラバラのままである。ほんとだよ、へっへっへ（←壊れかけている）
仕事が恐ろしく忙しくなってしまい、とてもバイクに構っていられる状況ではなくなった事も大きいが、ここまで負けっ放しで来てしまうネタも珍しい。
果たして、仕切り直しはやってくるのか…それともこのままバラバラのままＮＲは朽ち果てるのか。
以前は冗談にも「こいつは世界一不幸で程度の悪いＮＲ」と自称してはばからなかったが、ここまでホントの事になってくると（木亥火暴）口に出しても言えなくなってしまう…って、ここは笑っていいところか？
とにかく！
「ＮＲ復活への道２００５」は復活しないまま完結せざるを得ない状況となった（マジで、タイトルを「ＮＲ復活しなかった２００５」に変えた方がいいかな）。
みなさん、さようなら。